2012/05/24

2012ドイツ年間エキスパートゲーム大賞所感

こんにちは。

先日、ドイツ年間ゲーム大賞(SDJ)と同エキスパートゲーム大賞(KDJ)そして、キッズゲーム大賞のノミネートが発表されました。
COQの事前ツイッター予想では、SDJには「サンタクルーズ」と「インディゴ」をメインに、大穴に恐怖のダイスじゃらじゃらゲーム「ダスシュピーレ」を挙げていました。登場の仕方がクワークルに似ていたもので。
実際には、


べガス」、「キングダムビルダー」、「ロバの橋」とまったく当たらず。
いつの間にか、まるで予想のつかない賞になってしまったので、SDJは飛ばしましょう。そうしましょう。ついでにキッズゲーム大賞も飛ばしましょう。
1つだけ言える事は、記憶ゲームは苦手です。
「大賞の箱はでかくないと」というオカルト予想には一理あります。
(出展テンデイズテレビ:ドイツ年間ゲーム大賞2012を予想する!
さて、KDJです。
エキスパートゲーム大賞は去年から制定され、栄えある第一号には「世界の七不思議」が選ばれた事は記憶に新しいです。
本年度COQのツイッター予想では、「ハワイ」と「村の人生」そして、大穴に「トラヤヌス」を挙げていました。
「ハワイ」は、ハンス社らしい丁寧な造りと、その万人受けする様から。「村の人生」は、自分で一番面白いと感じたから。「トラヤヌス」は、これでもか!感がありながらも、マンカラを自分のスタイルに取り込んだフェルトを評価して。フェルトは去年もノミネート止まりでしたしね。
実際のノミネート作は、


「K2」、「ターギ」、「村の人生」。
1つ当たりましたが、他は予想外でした。しかも「ターギ」は未プレイ。トホホ。
その他、惜しくもノミネートされずに推薦作止まりとなったのは、
「フライデー」、「ハワイ」、「祈り、働け」でした。
「トラヤヌス」は推薦にも入らなかったのですね、お気の毒です。
と、いうわけで、未プレイタイトルが混じっているので、予想もままなりません。ここはひとつ、「ターギ」の無い世界ということにしましょう。ご都合主義でそうしましょう。
蛇口からターギの出ないこの世界では、井戸からK2をくみ上げるか、朝つゆの残る葉から村の人生を集めるしかありません…
「ターギ」の無い世界だとすると、候補は「K2」と「村の人生」。まずは自分の予想に挙げていた「村の人生」から語るとしましょう。

村の人生」は、エッガートシュピーレが2011のエッセンで発表した作品で、古き良きドイツゲームと言って良いゲームだと思います。ある村での一族の人生と死をテーマにしており、システムとテーマがネスカフェのCMのように綺麗に混ざり合ったゲームです(詳しくはリンク先にレビューがあります)。
初プレイさせてもらった日は、嬉々としてその面白さをツイートしてました(抜粋:1/8「村の人生」はエッセン2011の発表作の中で、今のところ自分に最もピッタリくる作品でした。テーマに一貫性があり、駒を失っても良いというところが良いです。」
そしてその日のうちに発注(抜粋:1/8「「村の人生」を発注。久しぶりにリプレイ欲が湧いた。
エッセンを通り越し、ニュルンベルクを過ぎた今でもこのゲームは今期のベストゲームなわけですが、KDJの予想に挙げた時から受賞は厳しいのではないかと思っていました。レビューにも書きましたが、「死」というテーマがタブー視される場合があるからです。
例えば、Spilebox誌に寄稿する、あるレビュアーはこのゲームに6点を付けています。その理由は「(抜粋&うろ覚え)村のクロニクルに刻まれると得点できるということは、それだけを目指すプレイもあり得るってことさ。そうするには、村人をひたすら殺すってことだぜ?気持ち悪いね。 〜中略〜 このゲームの90%は非常に良く出来てる。でも残りの10%、すなわち村人の死がこの料理を台無しにしてるね。6点
このように、「死」というテーマを得点と結びつけることへの不快感はどうしても残りますよね。各エリアでの貢献度によって、ただ死んだだけの駒ととって代われる様なルールがあったらまた違ったかもしれませんが。ゲーム自体のバランスは良いと思うので、是非受賞して有名になって欲しいところですが、上記の理由で厳しいかも?


続いて「K2」です。まさか「K2」がノミネートされるとは思っていませんでした。なぜかというと、このゲームは2010年発表であったからです。しかし、どうやらドイツの販売経路にのったのが2011年らしく、ノミネートに至ったようです。大分険しい道のりを経て、この舞台に立ったようです。
このゲームでは、K2という難攻不落の山にアタックする登山家となります(例によって詳しくはリンクから)。天候に左右される山の厳しさに、テントを張って絶えながら、一瞬の隙を見て頂上を攻略するゲーム。侵入制限のあるマスを利用して他人を凍死させたり、時にはお互いに励まし合ったりしながら登ります。
こちらもテーマとシステムの絡みが素晴らしく、プレイ後には山の怖さを思い知る事請け合いです。このゲームはソロプレイを実装しており、独りでも遊ぶ事ができます。既に拡張「ブロードピーク」も発表されていますね。
発表当時はとても小さなブースだったようですが、2012年5月には、テンデイズゲームズさんから日本語版が発売されており、既に日本でもお馴染みのタイトルとなっています。全国の量販店で見かける日も近いでしょう。


こうして並べてみると、やはりテーマの感じ方次第だと思います。二つを並べると、好みなのは「村の人生」のほうですが、世界でのマーケティング、拡張の出し易さ、険しい道のりを越えて来たことを考えると、「K2」が受賞するかな。折角日本語版も出た事だし、是非黒いポーンのシールを貼って、沢山アピールできますように。
あくまでも「ターギ」の居ない世界での話ですけどね!
(ちなみにターギの情報は少ないですが、2人用のワーカープレイスメント。毎ゲームカードでつくるモジュラーボードに駒を配置し、行商をしてお金を稼ぐのが目的。パズルのように駒を動かすイラストが載っていました。2人用ゲームであることと、かなり言語依存があることがネックになるのではと思っています。)
そう言えば去年も予想が全く当たらないなー、と思いながらBoardgame Geekを見ていたら「Geekを見ている時点で、あなたはSDJにもKDJにも当てはまらないユーザー」と書いてあり、一本取られた覚えがあります。
賞が二つになったことで、本賞のターゲットは大分変わった様に感じます。2年目のノミネートを見渡しても、どうやらこの感触は本物のようです。ライトゲーマーでもヘビーゲーマーでも無いと自負している自分には、KDJあたりが丁度良いようです。

発表が楽しみですねー。

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