浅草で、ゲームマーケット2012春が開催されました。
場所はいつもの産業貿易センター台東館です。
2012春は、会場を4/5/6階に拡げ、少し大規模になりました。
4階は主に同人ブース、5階はメーカー・ショップブース、6階はフリースペースとなっていました。また今回は、朝の待機入場列が6階に作成され、そこから開場とともに階下へ降りて行く仕様でした。
朝9:40(開場は10:00)に到着すると、既に6階待機場には沢山のヒトが。ハッピを着ているのはスタッフの方々。写真では、背中に”ハゲ”と書いてあるように見えますが、リサイクルマークの中心に”ゲ”と書いてあるロゴです。
待機列は4階用と5階用に分かれており、4階の方が明らかにヒトが多かったと思います。朝の入場はここからのみ行われていたため、開場後数分は階の移動が不可能であるというアナウンスがありました。
開場直前。列に並ぶ人達の数は見る間に膨れ上がっていきました。前回よりもかなり多い人出のような気がします。90%は男性。女性は5%程。残りの5%は長髪の男性。
外国人の姿もチラホラ見えました。知った顔もチラホラ。
開場時刻が近づくと、待機列は少しずつ裏の階段へと導かれていきました。その扉の向こうへ消える様が、ホロコーストとダブったのは映画の見過ぎですね。
そして、10:00ピッタリに開場のアナウンスと拍手。
COQは開場の数分後に4階に入場。朝のみ全員裏入り口からの入場だったので、まずは目の前にブースを構えていた骨折ゲームズさんで新作「アンモナイト」を購入。返す刀で直ぐ近くのi was gameさんのブースで「セブンスナイト」を購入したかったのですが、こちらは既に長蛇の列で断念。「ヴォーパルス」と「セブンスナイト」というキラータイトルの人気ブースであったため、列が外まで延びてました。見る間に無くなっていく様は、まさに瞬殺。
完売の文字は切なくなります。瞬殺は他にも幾つかあったようです。
続いて、前回のGMで「ジャンケンカードゲームファイブ」を発表され、一躍個人的お気に入りブランドとなったツクルカさんブースへ。ここで偶然TBGLゲーム会に参加してくださっているちきさんと遭遇。作者であるOECさんご本人にゲームの説明をして頂きながら、スタッフの方(といっても、IMCC会でお世話になっているまっちゃんさんでした)を交えて新作「カルマノルマ」を試遊させて頂きました。
試遊といっても、「遊んでる間に売り切れるかも」と脅されて、先に購入してから。予告通り、保存用のジャンケンカードも購入しました。
「カルマノルマ」はバッティングゲームですが、リードプレイヤーから順番にカードを出していくという不思議な仕様。つまり、意図的にバッティングしたり、しなかったりできます。昼・夜二つのラウンドで、前半の昼ではヒトの命を集め、後半の夜ではヒトの命を吹き消して得点にするというルール。吹き消せなかった命はマイナス点。前回に引き続いて版画調の素晴らしいカードイラストと、ゲームにピッタリあったマッチ棒を用いた得点カウントで雰囲気の良い綺麗なゲームでした。悩まし面白い。あと、箱が葛篭で素敵。
ツクルカさんのブースで遊ばせて頂いている時に、ふと横を見ると、ゲームの説明や所要時間等がボードに大きく印刷されてポスター状になっていました。この他のブースでもいくつか、情報を気軽に受け取れる様に配慮しているブースがあり、進化を感じました。きっと、少し前に話題となった例のpodcastもニヤリとして聴いておられたのでしょうね。
1ゲーム試遊して周りを見渡すと、既に開場は満員状態。この写真は4階の様子ですが、見渡す限りのヒトの山です。
その後、カワサキファクトリーさんのブースへ行って新作2人用ゲーム「ノーラックポーカー」を購入。ポーカーの役をパズル&陣取りで達成していくという、アブストラクトゲーム。これは是非欲しいと思っていたので、手に入ってホッとしました。あっという間に売り切れてしまったようです。
その後、一旦5階へ移動し、バネストさんを覗いた後に、スワンパナシアさんのブースへ毎回GMの目的の1つであるスリーブを求めに行くも、なんと荷物トラブルにより殆どのスリーブは在庫無しとのこと。なんと!(お気の毒。僕もお店のヒトも)
結局、「エミッサリークライシス」という正体隠匿系のカードゲームを1800円で購入し、スゴスゴと立ち去る。
去り際、隣のブースにはドクターケニツィア氏の姿が。
スタッフとして働いていらっしゃいました。バナナを頬張ったりしながら。
4階の入り口では今回も恒例のスタンプラリーとその景品が。各所に用意された試遊卓で遊ぶことによりスタッフの方に押してもらえる判子を集めると引くことのできる福引きです。
目を疑ったのは、その商品の豪華さ。主催のアークライト社の商品を前面に押し出したゲームの山が置かれていました。儲かってますねー。カタログ800円ですもんねー、笑いが止まりませんねー。最低でもダイスが当たるクジは帰りにはほぼ無くなっていたので、これらは幸運な誰かの手に。
COQは、、家にダイスコレクションが増えました…orz
続いて、往年の名作ブラフゲーム「FabFib」の日本語版を発売したタンサンFABRIKさんのブースでこれを購入。ポップでステキなイラストでリメイクされたこのゲームは今からプレイが楽しみでなりません。キャラメル箱なのが少し残念ですけどね。
話題の「ボードゲームナビ」を販売するブースもありました。しかも、今日は特別に試遊の判子とプロモカードが貰えるというお得仕様でした。この本は値段の割に内容が濃くて良いですね。一冊購入して帰りの電車で読もうと思ったら、帰りは寝てしまいました。
ゲームマーケットの花。大量に積まれた新品ゲームや中古ゲームも健在でした。知り合いの方が売り子をしているブースでは「知り合いは3個買いがマストだよ」なんて凄い縛りがあったり。混んでいるので選ぶのは大変ですが、思わぬ出会いがあったりするのでやめられません。
お昼間際、テレビカメラがあると思ったら、見たことある顔が。知り合いかな?と思ったら、テレビで見た顔でした(笑)。お笑いコンビ”ザブングル”のお二人。NHKのロケっぽかったのですが、子供ゲームコーナーで撮影をしていました。写真はまだ待機中の様子ですが、加藤さんは大きな動物将棋に夢中です。デジタル放送のお陰で、テレビと本物があんまり変わりませんねー。
お昼は3GM連続同じお店。浅草の有名なうなぎ屋さんです。早い安いウマい。ビールも嗜んじゃいました。舐める程度に。いや、ウマい。
蒼猫(ニコ動コミュ?)の方々と合流されるちきさんとはここでお別れ。
開場に戻ってからは、単独で試遊ブースの周りをうろつき、卓が空いたら混ぜてもらう作戦。こげこげ堂本舗さんでは、こちらも注目作「すしどら!」を遊ばせて頂きました。
回転寿しの皿を模したカードをドラフトしていき、1枚を選択してオープン(食べる)。さらにもう一枚をキープしてから次のヒトへと残りを流していく。回転寿しそのままの動きです。ラウンド終了時には、各ネタの上位者と、最多種類のプレイヤーに得点チップが配られます。得点チップの中身は高級なネタほど高くなっています。
説明の必要も無い程シンプルなドラフトゲーム。それらは恐らく、意図した通りに機能し、良ゲームになっていました。回転寿司を驚く程再現していることもさることながら、高級なネタ程点数が高いというシステムがわかり易くて好きです。
そして、これも気になっていたゲーム。しばくりさんの「サッカー戦術をボードゲームで表現できるか?」。スポーツゲームはボードゲームと相性があまり良くないことは有名。COQの知られざる趣味のもう1つはサッカーだったりするのですが、これをどのようにゲームにするのか、非常に興味がありました。
駒がそれぞれの選手を示しており、裏返すことによってその選手がボールを持っていることを示します。それぞれの駒はドリブラーやバランサーなど、役割が決められており、それによって移動可能マスが異なります。つまり、飛車だったり角だったりするのです。ウインガーは上下に好きなだけ動けるみたいな。
ボールを奪うには、相手のボールを持っている駒の隣に自分の駒を持っていくだけです。ただし、それだけだと次の相手のターンに直ぐに奪われてしまうので、囲い込みが重要。ダイナミックなパスもできます。引きつけておいてがら空きのスペースに走り込んだウインガーにパスみたいな。
これで詰め将棋のようなことをしていき、ゴールを目指します。1手ごとに時間カウンターを進めていき、全後半90手番を行ったらゲーム終了です。
前半のみの試遊でしたが、とても良く出来ていると思いました。特に、ウインガーやバランサーなどの駒の動きがサッカーっぽいです。完全にアブストラクトなので嫌いな人は嫌いそうですが、拡張ルールでサイコロを振るチャレンジも導入できるそうです。
慣れるまではゴールを決めることは難しく、試遊も0−0で終了でした。
チーム拡張や、シザースフェイントチャレンジ拡張なんかも期待できますね。
一通り遊んだ後で、今度は6階のフリープレイ卓へ。盛況でした。そこかしこに知った顔や知らない顔が手に入れたお宝を楽しんでいました。満員です。
写真でみると結構隙間がありますので、もっと卓を増やしても良かったかも。
そのうちの1つに入れて頂き、「街コロ」というゲームをプレイさせて頂く。場には対応するサイコロの目と、その効果が書かれたカードが沢山。これを購入して自分のものにしていき、各自が手番で振るサイコロの目に応じてお金が貰えたり取られたり。
資源を全てお金に集約した簡易カタンというイメージのゲームでした。ただ、それだけではなく、カード同士の連鎖もあるので面白いです。アートワークが素晴らしく、軽いプレイ感が好印象。ゲームは終始他人の養分とされてしまい、まったく奮いませんでしたが。
勝利条件である4つの建物の活性化はプレイヤーにプラスの効果をもたらすので、走るプレイヤーには中々追いつけません。ゲーマーズゲームに慣れていると、どうしてもこのプラスをむしろマイナスにしたらゲームが面白いのではないかと思ってしまいますが、サイコロ運にかなり左右されるゲームなので、加速度的にゲームが収束に向かうのが好ましいのでしょうね。
その後は、「アンモナイト」「航海の日々」など、今回のGMで手に入れたゲームを披露しつつプレイ。中でもアンモナイトはかなり出来の良いゲームでした。これは世界品質。別途紹介したい。
フリープレイ卓には、首から「バトルライン一戦お願いします!」という強者の女性が。実はこの女性、階段で一度すれ違っていたのですが、アブナイヒトなんじゃないかと思って、顔を拝見する前に0.2秒で目をそらしました。しかし、、知り合いでしたw そうでした、バトルラインがお好きなんだった。階段で目を逸らしておいてなんですが、ステキな方なのに顔出しNGとのことでこんな写真で。今度ショッテントッテンで勝負しましょう。
そうこうしている間に、早いブースは既に撤収。終わりに近づくGM。まだ残っている知り合いにご挨拶して16:40くらいに撤収しました。
今回も盛況。凄い人数の参加で、殆どのヒトが大きな袋を抱えていました。やっぱり、ボードゲームはどんどん裾野が広がって来ているのかなと感じましたね。
今回のGMでは、お客だけでなくブースの数も大分増えていました。また、前述の通りに商材やブースの雰囲気造りに気を使っているのも目にとまりました。新規参入や既存の進化など、ワクワクすることばかりですね。
また、今回は「予約」を受け付けるブースが多かったのも変化の1つだと思いました。以前は(一部の超人気ブースを除いて)、「実際に試遊して購入する」というのがメインでしたが、「気になるゲームは事前に予約しておく」という方向に移行しています。次回のGMのために、試遊してお気に入りのデザイナーを探すのが会場での今後の目的になりそう。
当然、知り合いの方と遊んだり、新しく知り合いになったり、トレンドを感じたりという面白さは変わらずありますけどね。
ところで、ゲームの輸入問屋さんで知られる「ニューゲームズオーダー」さんでは、 売り物のようなゲームカタログを配っていました。素晴らしい出来のこの本によると、2012年にローマにまつわる2つのあの名作が日本語版でリメイクされるそうです。その2つとはクラマーの「フォルム・ロマヌム」そして、なんとクニツィアの「古代ローマの新しいゲーム」。特に後者はオークションでも毎度高値で取引されており、未だ根強いニーズがあるゲームです。以前、ある方からこのお話は聞いていたのですが、まさかこんなに早く実現するとは思いませんでした。
古代ローマの日本語マニュアルは、以前に有志によって完全に訳されており、そのうちの1部は国会図書館にも所蔵されているというお話。これが復活するとなれば、朗報ですね。
帰宅して、今回購入したものを一覧。小さな物ばかりなので、それほどお金は使いませんでした。蒸気の時代の日本語版が、2500円だったのは嬉しかったですね。あと、中々発売されなかったコールドウォーも手に入ったのが収穫です。
事前の相談、下調べ、当日の試遊、購入、出会い、交流、それぞれがとても楽しいイベントでした。同人ゲームのレベルはドンドンあがっており、もはやゲーム内容は市販のものを凌駕しているものまであります。これらを含めてボードゲームの拡張傾向がどこに行き着くのか、今から楽しみです。
今回も、沢山の方に遊んで頂きました。ありがとうございます。
最後に、主催の方々とブースの方々、おつかれさまでした。
ありがとうございました!
次のゲームマーケット秋は11/18に浅草にて。
ゲームマーケット大阪は3/10開催予定とのことです。
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